仙洞御所は、江戸時代の始め、皇位を退いた後水尾上皇の御所として建てられました。同時にその北に接して女院御所も建てられました。その後何度か火災と再建が行われましたが、嘉永7年(1854)の大火で京都御所と共に焼失したのを最後に、その時、上皇も女院もおられなかったため、仙洞御所も女院御所も造営されることなく今に見る門と築地のみが再建されました。したがって、かつてあった仙洞御所の殿舎などの建物はなく、その跡地は松林になっていて、東側にある広々とした庭園のみが残されています。
庭園は、二条城二の丸庭園なども手がけた、幕府の作事奉行、小堀遠州が寛永13年(1636年)に 作庭し、28年後の寛文4年(1664年)に後水尾上皇が手を加えたものと言われています。 回遊式庭園となっており、北池と南池をめぐりながら、季節折々の変化に富んだ風景が楽しめます。
仙洞御所の参観には宮内庁への事前の許可が必要です。