常福寺は、平安時代初期に弘法大師によって創建されたと伝えられています。臨済南禅寺派に属すお寺で、かつては真言密教の霊場とされていました。本尊には、平安時代中期作とされる薬師如来坐像と帝釈天立像があります。これらは国の重要文化財に指定されています。境内には元元禄代の石工、平川与四右衛門一族の石仏があり、如意輪観世音菩薩は町の文化財に指定されています。奥之院は佐賀県八十八ヶ所めぐりの発祥地で、春秋彼岸には、お遍路さんの巡拝地となっています。
本堂、庫裡が移築されたのは江戸時代中期とされています。本尊にある薬師瑠璃光如来像は藤原中期の彫像様式の木造で、桧材を用いた一本造りです。桎箔、彩色が施された八葉蓮華の輪光背、蓮華の台座は後作のものとされています。